片栗粉恐怖症とは?その原因と克服方法について

恐怖症の一覧

片栗粉やコーンスターチなど、粉状の「でん粉」に触れるとゾッとする…そんな人もいます。これは「粉の食感や手触りへの恐怖」であり、専門的には鋭敏な不快感・嫌悪反応が恐怖症のように強く現れる状態です。

本記事では、片栗粉恐怖がどのように起きるのか、どう対処するのかをやさしく解説します。


1|片栗粉恐怖とは?

片栗粉恐怖は、正式な医学用語ではありませんが、「片栗粉の触感」やその粉っぽさが苦手・耐えがたいほど嫌だという人たちの感覚を指します。「感覚過敏」や「嫌悪反応」として知られ、粉が手に付いただけで震えや嘔吐感、吐き気を感じることもあります。

Redditには、こんな声がありました:

「から揚げに衣をする時、触れると全身ぞわぞわして最後まで耐えられず…もう片栗粉を触りたくない」

同じように、コーンスターチ(コーン粉)でも同様の症状がある方も多く、「ポップコーンの粉で吐き気がした」と話す人もいます 。

片栗粉恐怖症とは、片栗粉を見たり触れたりすることで強い不安や恐怖を感じる症状のことを指します。この症状は、一般的な食物恐怖症の一種であり、特定の食材に対する恐怖や嫌悪感を持つ人々によって経験されます。


2|どうして片栗粉が苦手になるの?

片栗粉恐怖症の原因は、個人の経験やトラウマによって異なる場合があります。過去に片栗粉を摂取したことで嫌な思いをしたり、アレルギー反応を起こした経験がある場合、それが片栗粉恐怖症の原因となることがあります。

また、他の恐怖症や不安障害との関連性も考えられます。例えば、食べ物に対する恐怖症や汚染恐怖症といった他の心理的な問題が片栗粉恐怖症を引き起こすことがあります。

① 感覚体験による嫌悪の学習

子どもの時、片栗粉の「ざらつき」「粉がまとわりつく感触」で不快な思いをした経験が、その後ずっと続くケースがあります。

② 模倣や環境学習

家族や身近な人が片栗粉を嫌がっていると、それを見て自然と自分も嫌になっていくことがあります。

③ 感覚過敏や不安傾向

感覚が敏感な人や、不安傾向の強い人が、特定の触感に強い嫌悪を感じやすいことは珍しくありません。


3|どんな症状があるの?

片栗粉恐怖症は、片栗粉を見たり触れたりすることで強い不安や恐怖を感じる症状です。この症状は、一般的な食品恐怖症の一種であり、特定の食品に対して異常な恐怖を抱くことを指します。

片栗粉恐怖症の主な症状には、心拍数の上昇、呼吸困難、発汗、ふるえ、パニック発作などがあります。片栗粉を見たり触れたりするだけで、これらの症状が現れることがあります。また、片栗粉を含む料理を食べることに対しても恐怖を感じることがあります。

心理的リアクション

  • 「触りたくない」と思う強い気持ち
  • 手に付いただけで「震えそう」「吐き気がする」という感じ

身体的リアクション

  • 吐き気、嘔吐感
  • 手が震える、ゾワゾワする
  • 汗がにじむ、手足が冷たくなる

行動による回避

  • 調理の際「誰かに粉をかけてもらう」
  • キッチンに片栗粉を置かないようにする
  • 粉に関する作業を避けてしまう

4|これは恐怖症?どんな分類?

DSM‑5(精神障害の診断基準集)では、これは「特定恐怖症」や「感覚過敏」の範疇かもしれません。特定の対象に対して過剰な不快感や回避行動がある状態は、心理的な対応が必要な場合もあります。

食品に関連する恐怖「cibophobia(シボフォビア)」と呼ばれることもあり、「特定の食品や素材への過度な恐怖」として理解されます 。


5|どうやって対処すればよい?

A. 段階的な慣れ(曝露:エクスポージャー法)

少しずつ片栗粉に触れる機会を増やしていく方法です。最初は小さな量の片栗粉に触れることから始め、徐々に量を増やしていきます。この方法は、患者が徐々に恐怖感を克服し、安心感を得ることを目指しています。

  1. 片栗粉を見ただけでOK
  2. 手袋をして触る
  3. 薄く手に粉をつける
  4. 徐々に直接触る
    焦らず、自分のペースで進めましょう。

B. 心を落ち着かせる技法

  • 深呼吸をする
  • 手をお湯につける
  • 緊張をほぐすことを意識する

リラクゼーションテクニックを取り入れることも有効です。深呼吸や瞑想、マインドフルネスなどのテクニックを使って、リラックス状態を作り出すことで、不安や恐怖を軽減することができます。

C. 専門家の助け

恐怖が強く、日常に支障が出る場合は、臨床心理士のもとで「認知行動療法」や「感覚統合療法」などを検討するのもおすすめです。


6|日常でできるセルフケア

  • 粉ものを扱う時は「手袋」や「袋に入れて混ぜる」など工夫する
  • 触ってしまったら、すぐに洗う・拭くなど対応を用意する
  • 家族や料理仲間に理解を求め、「触れない調理方法」を一緒に考えてもらう
  • 日々の様子や感じた不快感を記録し、改善を実感できるように

7|似たようなケース:感覚嫌悪の怖れ

粉だけでなく、特定の質感に敏感になりやすい人は意外と多く、たとえば…

  • コーンスターチが「毛糸みたいで吐き気がする」 reddit.com
  • 粉が「触ると気持ち悪くて手が震える」

といったケースは、感覚的に過剰反応しやすい人に多く見られます。


8|最後に:恐れ=間違いではない

片栗粉が苦手、というのは「変」ではありません。他の誰もが平気でも、自分にとっては苦痛なのです。少しずつでも慣れる工夫をしたり、周囲に「ちょっと触れたくないんです」と伝えることで、恐怖によるストレスはかなり軽減できます。


📚 参考サイト


片栗粉に限らず、気になる感触や質感には、それぞれに理由があります。小さな配慮と少しの工夫で、毎日のストレスがずいぶんと変わります。どうか自分に優しく、あせらずに対処していきましょう。

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