依存性パーソナリティ障害とは?
依存性パーソナリティ障害は、人に面倒をみてもらいたいという過度の欲求や、自分で自分の面倒をみなければならないことに対する恐怖が長期的に持続している状態を特徴とするパーソナリティ障害です。そのため、依存欲求を向ける他者に対して、従属的でしがみつく行動をとり、その人から分離することに恐怖を抱きます。
依存性パーソナリティ障害の症状
依存性パーソナリティ障害には以下のような症状が見られます。
ささいなことでも自分で決められない
依存性パーソナリティ障害の人は、どんな服を着るか、どんな週末を過ごすかなど日常生活におけるささいな事柄でも依存相手の助言と責任を求めます。
依存相手と離れることを恐れ、過度に服従する
自分で自分の面倒をみなければならない状況に陥ることに不安があるため、依存相手が自分から離れてしまうことを過度に恐れます。
そのため、依存相手が自分から離れないように、過度に服従する姿勢を見せ、依存相手の意見が間違っているとわかっている場合でも、相手に異論を唱えたりすることができません。時には依存相手から身体的、性的、心理的暴力を受けた場合でも、相手の言いなりなってしまいます。
少人数の人としか付き合わない
面倒をみてもらいたいと思う依存相手にかける時間が多くなり、他の人との交流が希薄になる傾向があります。依存相手との親密な関係が終わってしまった場合には、代わりの依存相手を必死に探そうとする傾向があります。
自己肯定感が低い
依存性パーソナリティ障害の患者は自己肯定感が低く、自信が極度に低い状態にあるため、自分ひとりでは何もできないと確信している方が多いです。
依存性パーソナリティ障害の診断
依存性パーソナリティ障害の診断は米国精神医学会が発行するDSM-5と呼ばれる診断マニュアルに沿って行われています。
DSM-5
DSM-5では、以下のチェック項目のうち5つ以上を満たす場合に依存性パーソナリティ障害の疑いがあるとされています。
- 生活上の重要な部分において他者に責任を負ってもらいたいと考える
- 自分に自信がなく、一人で物事を進められない
- 特定の他者からの助言や指示や承認がなければ日常的な判断ができない
- 自分の面倒を自分で見られないという無力感があり、一人でいることに苦痛や不快感を感じる
- 面倒を見てもらいたい相手と離れた時には、代わりの人を探すことに差し迫った必要性を感じる
- 自分で自分の面倒を見ることの恐怖にとりつかれている
- 特定の相手からの助言や支援を得るためには労力を厭わず、不快なことでも耐えられる
依存性パーソナリティ障害の治療法
依存性パーソナリティ障害の治療は、他のタイプのパーソナリティ障害と共通しており、心理療法をメインとし、症状の緩和に一部薬物療法が取り入れられることもあります。
心理療法
認知行動療法(CBT)
症状を理解し、対処するための具体的なツールや戦略を提供します。また、セラピストとの信頼関係の構築も重要であり、セラピストは患者の感情や行動に対して理解を持って接することができるため患者の対人関係構築のよい訓練となります。
薬物療法
薬物療法は、心理療法を行っている段階での症状を軽減するために使用されることがあります。主に抗うつ薬や抗不安薬などです。ただし、治療の効果は個人によって異なりますし、薬物療法は症状の管理に役立つものの、根本的な問題の解決にはなりませんので医師と相談しながら適切な服用管理を行いましょう。
他の種類のパーソナリティ障害
パーソナリティ障害には10種類が確認されています。
このタイプのパーソナリティ障害の特徴と原因にしっくりこない方は、他の9種類のパーソナリティ障害についても確認してみるとよいでしょう。

